女性バレエダンサーの外反母趾。解消ポイントとセルフケア、お手軽テーピングをご紹介
2025年10月11日
こんにちは。兵庫県姫路市の「つぼき鍼灸整骨院」院長の坪木です。
このブログを書いた理由なんですが、女性バレエダンサーの方が来院されたからです。
女性バレエダンサーの方で特に多いお悩みの一つが「外反母趾(がいはんぼし)」です。
40歳代の女性バレエダンサーは「左の親指の関節が内側に出っ張って、靴の中で当たって痛い」と話してくださいました。
バレエを長く続けてこられた方ほど、この“足の親指の変形”に悩むことが少なくありません。
「手術するしかないのかな…」「我慢しながら踊るしかないのかな…」
そんなふうに感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。
外反母趾は体の使い方やケアの方法を見直すことで、痛みの軽減や進行の予防が十分に可能と考えています。
今回は、バレエダンサーの方に特有の外反母趾の原因から、解消ポイント、自宅でできるセルフケアまで、わかりやすく解説させていただきます。
私と一緒に外反母趾を解消しましょう。
女性バレエダンサーに外反母趾が多い理由
外反母趾とは、足の親指の付け根が内側に出っ張り、親指の先が小指側へと“くの字”に曲がってしまう状態のことです。
では、なぜバレエをしている女性に多いのでしょうか?理由は大きく3つあります。
1.つま先で立つ姿勢が長時間続く
バレエでは「ポワント」と呼ばれる、つま先で立つ動作が欠かせません。これは、足の親指の付け根に非常に強い圧力をかける姿勢です。
たとえるなら、細いえんぴつの先で体全体を支えるようなもの。わずかに角度がズレただけでも、足の関節や筋肉に大きな負担がかかります。
この姿勢を長年続けることで、親指の関節が内側へ押し込まれ、外反母趾が進行してしまうのです。
2.トゥシューズの構造とサイズの影響
バレエシューズは、見た目は美しくても、足の指を強く圧迫します。特にトゥシューズは硬くて狭い構造をしており、親指の付け根が常に圧迫された状態になります。
サイズがほんの少しでも合っていないと、靴の中で足がずれ、親指が内側へ押され続ける原因になります。
まるで、小さい靴に無理やり足を入れて歩いているようなもの。その状態で踊るわけですから、足への負担は想像以上です。
3.足のアーチ(バランス)の崩れ
人の足の裏には、「土踏まず」と呼ばれるアーチ構造があります。このアーチがクッションのように働き、体重を分散してくれています。
しかし、ポワントや長時間のレッスンによって、このアーチを支える筋肉が弱まると、足の骨格が崩れ、親指の付け根に負担が集中します。
来院された女性の場合も、アーチが不足して扁平足のため、親指に負担がかかってしまっていました。
バレエダンサー女性の外反母趾を解消するための3つのポイント
外反母趾の痛みを和らげたり、進行を止めたりするためには、「使い方・支え方・整え方」の3つのバランスが大切です。
1.足の指をしっかり使う感覚を取り戻す
バレエでは「美しく見せる動き」に意識が向きがちで、実は足の指そのものを“動かす感覚”が弱くなっている方が多いです。
足の指は、手の指と同じように細かく動かせるのが本来の姿。でも、長年トゥシューズで固定された環境では、まるでミトンの手袋をしたまま細かい作業をしているような状態です。
まずは、足の指一本一本を「動かす」「感じる」ことから始めましょう。
2.土踏まずを支える筋肉を鍛える
外反母趾の方の多くは、足の裏の筋肉が弱くなっています。
特に「母趾外転筋(ぼしがいてんきん)」という筋肉は、親指をまっすぐ保つためにとても大切な筋肉です。
この筋肉を鍛えることで、親指が内側に引っ張られる力を減らすことができます。
たとえると、ゆがんだ柱を元の位置に戻す支え棒を立てるようなものです。しっかりした土台を作ることで、変形の進行を防ぎます。
3.靴やトゥシューズの見直し
意外と見落としがちなのが「靴のサイズと形」。特に、日常で履いている靴が合っていないと、せっかくのケア効果が半減してしまいます。
足の幅や指の形は人それぞれ違います。親指の付け根に当たらない柔らかい素材の靴や、足指が自由に動くシューズを選びましょう。
また、トゥシューズも専門家にフィッティングを見てもらうことで、足への負担を大きく減らせます。
自宅でできる!バレエダンサー女性の外反母趾セルフケア
最後に、ご自宅で簡単にできるセルフケアを3つご紹介します。どれも「ながら」でできる内容ですので、ぜひ今日から始めてみてください。
① タオルギャザー運動
床にタオルを敷き、足の指でタオルをたぐり寄せる運動です。この動きで、土踏まずを支える筋肉(内在筋)を鍛えることができます。
ポイントは、指の付け根からしっかり動かすこと。1日1~2回、テレビを見ながらでもOKです。
② 足指グーパー運動
足の指を「グー」「パー」と交互に動かすだけの簡単エクササイズ。足の血流がよくなり、冷えやむくみの予防にもつながります。
レッスン前後のウォーミングアップにもおすすめです。
③ ゴルフボールマッサージ
ゴルフボール(または小さめのボール)を足裏でコロコロ転がす方法です。固くなった足裏の筋肉をゆるめ、血行を促します。強く押しすぎず、「心地よい」と感じる強さでOK。
特に親指の付け根をやさしく刺激すると、痛みの軽減にもつながります。
外反母趾による痛みを軽減するお手軽テーピング
親指の角度を正常に戻す「サポートテープ+クロステープ法」親指が小指側に倒れすぎるのを防ぎ、付け根への負担を減らすことができます。
【やり方】
- 3cm幅のキネシオテープを約15cmにカットします。
(サポートテープ)
足の内側、親指の爪の内側から内くるぶしの下あたりまで貼ります
(クロステープ)
親指をまっすぐ前に軽く開くように引っ張りながら、
テープを足の甲の外側(小指の方)へ斜めにクロスするように貼ります。親指内側の凸になっている場所にクロスするように。
最後は甲の外側に固定。
(ポイント)
テーピングに軽くテンションがかかる程度に。引っ張りすぎないようご注意ください。
このブログ内容はyoutube動画でもご紹介させていただいております。
女性バレエダンサーの外反母趾。解消ポイントとセルフケア、お手軽テーピングをご紹介
まとめ
今回のブログではバレエダンサーに外反母趾が多い理由や解消ポイント、セルフケア、テーピングなどをご紹介させていただきました。
これらの方法を試してみてもなかなか改善が見られない場合は、お気軽にご相談ください。
皆様が健康で過ごせるためのヒントをお伝えできればと思います。
外反母趾でお悩みの方は、当院LINEからお気軽にご相談ください。→https://lin.ee/OKHMNw4
079-255-8952(予約専用ダイヤル)
【監修:坪木心吾/鍼灸師 柔道整復師】